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子ども達は、何かを学びたいわけではない。

更新日:2023年3月27日



以前(コロナよりも前)に、教室にお子様をお迎えにいらしたある保護者様が、お子様の作品をご覧になって、次のような内容のお言葉をかけておられたことがありました。


「これは遊びじゃなくて、勉強なんだ。だから真面目に取り組まなきゃいけない」



私たちのプログラミング教室で行っていることは、紛れもなく「遊び」です。


どいうことかと言いますと、

親御様に意識していただきたいことは、大人の学び方と子どもの学び方は、全く違うということです。


決定的な違いは、「目的や目標があるかどうか」という点です。

大人が学ぶときには、何かのスキルや知識を身につけたいといった目的や目標があります。そして、その目的や目標を達成するために、本を読んだり講座を受けたりするわけです。大人にとって、「学ぶこと」とはそういうことです。


でも、子ども達は、何かを学びたいといった目的や目標を持っていません。

例えば、幼い子が、ただ楽しく着せ替え人形で遊んでいたら、いつの間にか自分の着替えもできるようになった。これも立派な学びですが、その子は「着替えができるようになりたい」と思って人形で遊んでいたわけではないのです。


ある子は虫が大好きでひたすら網を持って虫取りばかりしている。

またある子は、みんなとサッカーするのが楽しくて、毎日サッカーばかりしていた。あるいは野球。

いわゆるお勉強からは程遠いこと。


しかし、子ども達は、楽しくて、好きなことを通じて、自分なりに学びに向かうためのスタイルを身につけていきます。


虫好きの子どもなら、知らない虫を捕まえてくれば自分で図鑑を開いて調べる。単にバラバラの知識を頭に入れるのではなく、「この虫とこの虫はここが似ているから、きっと同じような場所にいるだろう」というふうにも考えたりもする。


サッカーや野球なら、どうすれば上手く蹴れるか、投げられるか。プロ選手の動きを観察して、出来そうなことを自分のプレーの中に取り入れる。競技のルールを調べ、チームの作戦・自分の役割を理解し、ルールに則ったプレーや、集団の中で力を発揮する方法を学びます。


つまり、楽しくて好きな「遊び」については、子ども達は自ら学ぶ姿勢を持ち、自分で得た知識を体系立てたり、構造化することを、自然に行うということです。


親御様がお子様にプログラミングを学ばせる際のご希望として、

・パソコンを使えるようになってほしい

・論理的に物事を考えられるようになってほしい

・将来の大学受験に備えてほしい

など、お子様に「こうなってほしい」という目標・目的を持たれるかと思いますが、子ども達はそんなことはお構いなし。


「『スーパーマリオ』のようなジャンプをしたい」

「漫画『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンド "ザ・ワールド"を作りたい」

※ザ・ワールド:漫画の中に登場するボス的キャラクター DIOが持つ「時を止める」能力のこと。


私たちのプログラミング教室の子ども達は、こういった自分の中の「ワクワクした経験」をプログラミングで再現することに躍起になっています(ゲーム好き、アニメ好きな子ほどプログラミング学習にどハマりする理由です)。


スーパーマリオのようなジャンプのプログラム例(変数『ジャンプ"』を使い初速と終速に違いをつけて重力が働いているようにする)


スーパーマリオのジャンプでは数学的な思考が身につきますし、ジョジョのザ・ワールドでは論理的な思考が身につきます。


子ども達の学び方は、あらかじめほしい結果があるのではなく、楽しく遊んでいたら、結果としてなにかを学んでいたということです。親御様には、大人と子どもの学びの違いをご理解いただき、今は、子ども達の「遊び」を見守っていただければ幸いです。

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