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「なぜ働かなければならないのか?」




なんて子ども達に聞かれたことがありませんか?これは、ものすごくいい質問です。


「お金。生活のためだよね」


中学、高校生くらいになれば、それが現実だと納得して、この質問自体をしなくなります。

でも本当に働いているのは、お金のためなのでしょうか?


働く目的を聞いた内閣府の調査を見てみると、

1位は「お金を得るため」が圧倒的で5割以上。

2位は「生きがいを見つけるため」で約2割。

3位「社会の一員としての務めを果たすため」

4位「自分の才能や能力を発揮するため」という回答でした。


やっぱり、お金を得るためでした。


しかし、興味深いこともあります。

自分で立ち上げたIT企業なんかを売却して、数十〜数百億円も稼いでFIRE(早期に引退)した人たち。

南の島なんかでのんびり優雅に暮らしていても、だいたい2~3年すると仕事をしたくなって戻ってくるそうです。


「なぜ働かなければならないのか?」の本質がここにあるような気がします。



まずは、そもそも「仕事」って何なのか?を考えていきます。



「無人島に自分一人しか住んでなかったら、どう暮らす?」


雨風を凌ぐための洞窟を見つけ、海や山で食料を獲得し、火を起こし料理します。衣食住のすべてを自分でやります。


そこにもう一人流れ着いて仲間が増えました。そうしたら、どうしますか? 話し合って役割分担を決めるでしょう。


「私は魚を獲って来るから、あなたは薪を集めてきてください」


もちろん全部を2人で一緒にやってもいいけど、暗くなる前に全部やっちゃおうとなると、役割分担して効率化を計りますよね。


さらに、そこへ3人、4人と新しい人たちが流れ着く。魚獲りも当番制で日替わりとか1週間交代とかでやるんですけど、そのうち一番上手で楽しそうにやってる人に固定してきたりします。


「魚獲りは、彼に任せるのが良さそうだね」


他にも洋服づくり、道具づくり、家づくり、船をつくって隣の島に行ってみようか。

などなど、今いるメンバーの中で、一番向いてる人が担当になっていきます。それが「役割分担」。仕事の始まりですね。


こういった役割分担が、今の「仕事」になっていきました。

始めは物々交換やスキル交換だったのですが、お金を媒介にするようになりました。報酬は難易度や需要と供給のバランスで決まると言うだけ。ただの係なので、そこに貴賎はないです。学校のクラスでも、新聞係が生き物係より偉いということはありませんよね。




さて、仕事をしなければならない、働かなければならない理由ですが、こう考えてみてはどうでしょう?


友達5人でキャンプに来て、みんながテントを張ったり、食事の準備を手分けして動いている中、ひとりだけ寝っ転がってスマホでYouTubeを観ている。

「お、メシできた? うまそうだね、いただきまーす!」

なんだかなー。やはり何かしら仕事したからこそ、食べるご飯が美味しいわけです。


大富豪になって早めに仕事を引退しても、社会にタダ乗りは落ち着きません。「税金払ってるからいいでしょ」という話でもない気がします。


3位の「社会の一員としての務めを果たすため」というのは、このことなのでしょう。


街や社会って、巨大なキャンプなんです。

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